コーチ茂原陽の「物語」vol.2 ”人生が大きく動き出した、あの日の電話”

vol.1では、私の可愛い「左耳」の話、
そして、その左耳がどのようにして“人の心を聴く”という
コーチとしての原点になったのかをお伝えしました。

vol.2ではその続きを少しだけ。

目次

人生が大きく動き出した、あの日の電話

2002年の初夏。

私は、日本IBMのトップエグゼクティブを目指すという想いで、
営業職に転向したばかりでした。

「このままエンジニアだけで終わりたくない」
「もっとお客様に深く関わりながら、価値を届けたい」

そう思って、トップ営業マンを目指して動き出した矢先。

研修先の幕張で、1本の電話が鳴りました。
それは、当時はまだ彼女だった妻からの電話でした。

いつもならこんな時間にかけてくることはない、
そう胸騒ぎを感じながら電話を取ると・・・

「・・・〇〇に、血が混じってた。検査を受けなきゃ。」

息を呑むような静寂のあと、
私の人生のすべてが、音を立てて動き始めた瞬間でした。

検査結果は、最悪でした。
現実を受け止めるには、あまりに重く、深かった。

だけど、その時から、
私は「人が人生を生きるとは」に向き合いはじめました。

彼女と、今、何を話せばいい?
毎日、何をしていけばいい?
どんな“想い”で、どんな“時間”を共に過ごせばいい?

その問いに答えを見つけるために、
正解なんて無いかもしれないけど、

「この人の人生に寄り添いたい」
「少しでも、彼女が日々前を向き、充実した日々を歩めるように」

そう願い、私は“コーチング”という世界に出会いました。

コミュニケーション心理学というコーチングの土台である
NLPの学びからスタートしました。

講座に通い、関連する本をむさぼるように読み、
習った”問い”をそのまま彼女に問い、
散々彼女の地雷を踏み、喧嘩もし、大泣きもされ・・・

そんなスタートではあったけれでも、
「目の前の人」そして「生きる」ということに
全身全霊で向き合いました。

彼女と過ごしたそれからの5年間強。
それは、本当に充実し、かけがえのない宝物のような時間でした。

共に笑い、共に泣き、共に楽しみ、共に喜び、
共に悩み、共に学び、共に悲しみ、共に願い、
共に望み、共に挑戦し、そして共に歩んだ

「ただそばにいるだけではなく、
 彼女の“心の旅”を共に歩めたたこと」

彼女が充実した日々を過ごしたと、信じてもいますし
その日々が私にとって、何よりの贈り物でした。

彼女が旅立った後、
私はしばらく“心を失くした人”のようでした・・・

でも、あのときの対話、あのときの祈りと願い、
そして彼女の笑顔のすべてが、今の私の中に間違いなく残っていて、
私を支えてくれています。

「人は、どんなに深い絶望の体験からも、今の目の前の日々を生きれる」

「そして、本当の対話は“魂と魂”の間で交わされる」

それが、私が“至高のリーダーシップ”を届ける軸へと
育っていったのかもしれません。

次のブログでは、
その後、私がどのようにして絶望から立ち上がり、
今の“志命”に出会ったのかをお届けします。

ここまでお付き合いいただきありがとうございます。

続きはこちら

Vol.1はこちら

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